FIREムーブメント

積極的にアーリーリタイアを目指すFIREムーブメントという生き方と目標金額達成方法

こんにちは。なかやんです。

皆さんは「FIREムーブメント」という言葉をご存知ですか?

「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉で、経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルです。

海外のミレニアル世代(1989-1995生まれ)を中心に、ブログやポッドキャストなどで広まりを見せ、日本でも徐々に認知度が広まってきています。

いわゆるアーリーリタイアの文面などで使われることが多いのですが、FIREムーブメントにおいて重要なのは、アーリーリタイアそのものではなく、積極的に貯蓄・投資をするその生き方です。

今回は、このFIREムーブメントについて僕なりの見解を加えながら解説していきます。

この記事の要約
  • FIREムーブメントとは?
  • アーリーリタイアへの目標金額
  • 目標金額達成への近道

FIREムーブメントが生まれた背景

FIREムーブメントが生まれた背景は、数十年前と比較して働き方が変わってきているということが挙げられます。

AIの発達で人間がすべき仕事が変わり、医療の発展で平均寿命が延びたことにより、働ける年齢も相対的に伸びました。

かつての日本のように会社に所属していれば年功序列で給料が上がった時代はもう終わり、終身雇用を掲げる企業はもはや存在しないといっても良いでしょう。

そのような中で、ミレニアル世代、つまり今の23歳から30歳くらいの方は、今から30年以上働き続けるということに意味を見出せず、若いうちに資産を構築し、投資等の利回りで生活をしようとする生き方を選び始めました。

これがFIREムーブメントです。

フリーランス等も増え、働き方の選択肢が増えた、というのも起因しているかもしれませんね。

つまり働き方に多様性が生まれたことで、「働き続けることってどうなの?」という疑問が生まれたことが、FIREムーブメントのきっかけになったと僕は思います。

FIREムーブメントとアーリーリタイア

FIREムーブメントとアーリーリタイアはよく一緒の文面で語られます。

FIREムーブメントの先にアーリーリタイアがあるので、当たり前といえば当たり前なのですが、皆さんは「アーリーリタイア」という言葉にどのようなイメージを持ちますか?

日本でアーリーリタイアというと「50代くらいのサラリーマンが早期退職をする」といったイメージを抱く人が多いのではないでしょうか?

または宝くじや投資で大儲けしたから仕事を辞める、といった方をイメージするでしょうか?

FIREムーブメントが従来のアーリーリタイアと違う点は、若いうちから積極的に貯蓄・投資を行い、50代と言わずもっと早くに働くことを辞めるというところです。

FIREムーブメントの目標金額

FIREムーブメントにおけるアーリーリタイアの目標額は25年分の生活費を貯蓄することです。

例えば、記事執筆時点で28歳の僕が、40歳までに25年分の生活費を貯蓄することができれば、あとは年金で生活できるということになります。

僕の現在の生活費が月20万円だとすると、20万円×12ヶ月×25年=6,000万円がアーリーリタイアに必要ということになります。

また、FIREムーブメントの特徴として「4%ルール」というものがあります。

これは総資産のうち、生活費に充てる金額を年4%までに抑えるというものです。

この4%は、前述の式でいうと20万円×12ヶ月の240万円になります。

FIREムーブメントの貯蓄率

FIREムーブメントを語るにおいて、貯蓄率について理解しておきましょう。

手取り月30万円の僕が20万円を生活費(家賃・食費・その他)に充て、残りの10万円を全て貯蓄したとすると、その貯蓄率は10万円÷30万円×100=33%となります。

実際の僕は月10万円も貯蓄できていません(多分貯蓄率10%くらい…)。

ちなみに仮に月10万円貯蓄できたとしても、40歳までの12年で1,440万円しか貯めることができません。(10万円×12ヶ月×12年=1,440万円)

先ほど、僕の場合アーリーリタイアに必要な貯蓄額は6,000万円と言いましたが、コツコツ12年貯金しても3分の1にも満たないのです。(しかも実際は月10万円も貯蓄できていない)

では、実際FIREムーブメントを行なっている方の貯蓄率はどれくらいなのでしょうか。

FIREムーブメントの第一人者、Barney WhiterのBBCのインタビューによると、FIREムーブメントを追求する人々の貯蓄率は50%以上と言います。

参考:BBC(英語ですが…)

皆さんは収入の50%以上を貯蓄することはできますか?

僕は無理です。ほとんどの方が無理だと思います。

ちなみにもうお気づきの方もいるかもしれませんが、仮に貯蓄率50%が達成できたとしても40歳までの12年で2,160万円しか貯めることができません。(15万円×12ヶ月×12年=2,160万円)

ここまで読んでいただいて「いや、FIREムーブメントって無理じゃね?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

本当に無理なのか、12年で6,000万円貯蓄する方法を考えてみましょう。

FIREムーブメントには投資が必須

貯蓄率と貯蓄額をあげる方法はいろいろあると思います。

  • 収入を上げる(副業をするetc…)
  • 食費や家賃等を切り詰める

すみません、二つしか出てきませんでした。

多分他のサイトの記事とかをみても、この二つが出てきがちだと思うのですが、これらって結局「我慢」や「忍耐」が必要とされると思うんですよね。

収入はそんなに簡単に上がりませんし、好きなものを我慢するのはストレスも溜まります。

ちなみにFIREムーブメントを行う人の中には、「Lean FIRE」と「Fat FIRE」の二種類があるようです。

「Lean FIRE」は体脂肪を燃やしまくるかのごとく、とことん切り詰めるタイプ。

「Fat FIRE」は普通の生活水準を保ちつつ、余剰収入(fat=脂肪)を貯蓄と投資で肥やしまくるタイプです。

参考:GIZMODO

将来の目的のために今を我慢することができるというストイックな人なら、上の二つの方法で貯蓄率・貯蓄額を増やすこともできるでしょうが、できれば「Fat FIRE」でアーリーリタイアを達成したいところです。

「Fat FIRE」でアーリーリタイアを目指す秘訣は投資を行うことです。

ほとんどのFIREムーブメント実施者は節約と同時に投資も行なっており、アーリーリタイア後も投資によって生活を賄っているパターンがままあります。

投資リテラシーを身に付けることは、アーリーリタイアを達成するためには必須といえます。

複利効果を利用した目標金額の早期達成

投資の世界には複利運用という基本的な言葉があります。

複利運用とは、元本によって生じた利子を、次の元本にくわえる運用方です。

つまり、利子が利子を生むのです。

仮に、年率10%上昇する金融商品を元本100万円で、それぞれ単利運用と複利運用で購入したとします。

単利運用した場合、1年・110万円、2年・120万円、3年・130万円、4年・140万円、5年・150万円、10年・200万円、30年・400万円、50年・600万円、となります。

年率10%ですから、元本100万円の利息として10万円ずつ増えていきます。

一方で複利運用した場合、1年・110万円、2年・121万円、3年・133万円、4年・146万円、5年・161万円、10年・259万円、30年・1,745万円、50年・11,739万円となります。

引用:モトリーフール・ジャパン

このように複利運用を利用すれば、圧倒的に早く、雪だるま式に資産を増やすことができます。

では、12年間で6,000万円を投資により貯めるには、どれだけの年リターンを出す必要があるのでしょうか?

今回は、積立前の投資元金が100万円あると仮定し、10万円を毎月積立するとします。

計算には下記サイトを用いました。(税金は考慮しないこととします)

参考:カシオ計算機

計算した結果、年利率20%が必要ということがわかりました。

12年間、毎年20%の投資利回りを得るのは正直言って不可能に近いと思います。

あのバフェットが37年間で平均年リターンが22.6%とのことですが、それに匹敵する成績です。

まとめ

FIREムーブメントは非常に夢があり、ミレニアル世代を中心に広がりを見せていますが、早期で目標金額を達成するのはかなり難しそうです。

ただ一番の近道は投資であることはわかります。

僕は40歳までに12年しか残されていないので、年利20%のリターンを目指す必要がありますが、僕より若い人はより長い投資期間を持てるので、より低い年利で運用することができます。

つまり若い人ほど早期退職を目指すなら、早くから投資をした方が有利になるということです。