以前、ローソク足の見方についての記事を書きました。
この記事に、寄引同時線について書いてあるのですが、今回はチャート反転のシグナルになりやすいトンボと塔婆(とうば)についてもう少し詳しく説明します。
ローソク足のトンボ(トンカチ)とは?
株価チャートにおいて、始値と終値が同じ値段になることを寄引同時線と言います。
「トンボ」は、この寄引同時線において株価が高値で終わったことを表しています。
図にするとこんな感じです。
一度安値をつけてから、高値まで戻した時に発生するローソク足です。
見た目がグラウンドをならす時に使う「トンボ」に似ているからこのような呼び方をするのでしょうか?由来はわかりません笑
また、傘にも見えることから「カラカサ」とも言われています。
トンボは1日に大きく株価が行ったり来たりした時に現れるローソク足なので、相場の転換点とも言われています。
底値圏に現れるトンボ
チャートが底値圏(右肩下がり)の時に現れるトンボは、買い勢力が強まっていると捉えることができます。
一度は大幅に売られた株に買い戻しが入り、その日中に始値まで戻した、というポジティブな転換点として捉えられます。
【底値圏で出現したトンボの一例】
トヨタ系の大手自動車部品メーカー「デンソー」の過去のチャートです。
動きが小さかった株価が、赤丸で囲われたトンボの出現とともに大きく動き出しているのがわかります。
高値圏に現れるトンボ
チャートが高値圏(上り調子)の時に現れるトンボは、買い勢力が弱まっていると捉えることができます。
始まりから売られて、買い戻しが入ったものの、始値を超えることができなかった、という結果を表しているからです。
【高値圏で出現したトンボの一例】
みなさんご存知「すかいらーく」のチャートを一部切り出しました。
赤い円で囲われているところにトンボが出現しているのがわかります。(微妙に始値を下回っていますが…)
その後、短期的に株価は売られています。
ローソク足のトンボは一度売られた株が買い戻された時に発生する。
- 安値圏のトンボは買いシグナルになる傾向がある
- 反対に高値圏のトンボは売りシグナルになる傾向がある
ローソク足の塔婆(とうば)とは?
塔婆は寄引同時線のうち、トンボとは反対に、下から上にヒゲが伸びているローソク足のことを言います。
始値から一度買われたものの、売りに転じて結局安値で終わるという状況を表しています。
図にするとこんな感じ。
墓場にある卒塔婆に形状が似ていることから、このような名前がついているのでしょう。
また、トンカチにも似ていることから、そのまま「トンカチ」と言われることもあります。
塔婆もトンボと同じく、チャート上の転換シグナルになる傾向があります。
底値圏に現れる塔婆
チャートが底値圏の時に現れる塔婆は、買い戻しの心理が高まっているとポジティブに捉えることができます。
売りが強かったものの、買いもそれなりに入っていたという状況なので、一通りの売りはこなされたという投資家心理が働く傾向にあります。
【底値圏で出現した塔婆の一例】
住友不動産の過去のチャートです。
赤丸のところに塔婆が出現してから、チャートが大きく転換しているのがわかります。(厳密には寄引同時線ではありませんが…)
実際はもっとヒゲの長い塔婆の方が、より株価の動きにもインパクトを与えます。
高値圏に現れる塔婆
チャートが高値圏の時に現れる塔婆は、一通りの買い優勢の流れに終わりを告げ、売りに転換する可能性が高くなるシグナルとして捉えられます。
【高値圏で出現した塔婆の一例】
サロンパスで有名な久光製薬の過去のチャートです。
高値圏にいくつかの塔婆が発生しているのがわかります。その後、株価は下降トレンドに入っています。
ローソク足の塔婆は一度買われた株が戻し売りにあった時に発生する。
- 安値圏の塔婆は買いシグナルになる傾向がある
- 反対に高値圏の塔婆は売りシグナルになる傾向がある
まとめ
ローソク足の見方、トンボと塔婆編でした。
どちらも相場の転換点として捉えられる大切なローソク足なので、覚えておくと投資を有利に進めることができます。
また、トンボ・塔婆ともにチャートが大きく動くときは一つだけではなく、複数出る傾向にあります。
いずれの場合も、底値圏で出たら買いシグナル・高値圏で出たら売りシグナルになる傾向が強いということを覚えておきましょう。
ローソク足はトンボ・塔婆だけではなく、たくさんの見方があるので、一つ一つ覚えていきましょう!