こんにちは。なかやんです。
5月19日、Googleがファーウェイとの取引一時中断を行うことをロイター通信が発表しました。
これにより、ファーウェイは、グーグルが開発する基本ソフト(OS)「アンドロイド」のアップデートができなくなり、同社の中国国外のスマートフォン事業に打撃が及ぶ恐れがある。
ファーウェイが今後新たに発売するアンドロイド版スマホはアプリ配信の「グーグルプレイ」が使えなくなり、グーグルプレイで提供されているメールソフトの「Gメール」、動画投稿「ユーチューブ」、ブラウザー「クローム」といったアプリが消滅する可能性がある。
引用:ロイター
米国と中国の貿易摩擦は昨今のニュースを賑わせており、先日も米国が中国製品の関税を最大25%に引き上げるという発表がありました。
ファーウェイは以前からセキュリティの脆弱性が懸念されており、米国から締め出しの対象になっていたのですが、今回のGoogleの件でそれが具体的になったと言えるでしょう。
ファーウェイ製品に関わりがない方は「ふーん」で終わるニュースですが、僕のようにファーウェイ社の製品を使っているユーザーは寝耳に水です。
まさかGoogleからの直接制裁がこんなに早く行われるとは思いませんでした。
僕らが今利用しているファーウェイのスマホは使えなくなってしまうのでしょうか。
今回は、ファーウェイユーザー向けに今回の件に関して認知しておくべきことをまとめました。
対象となるのは「今後」販売される製品
まず、この件に関してGoogleが公表している事実として、以下のものがあります。
私たちは命令を遵守し、その影響を検討しています。Googleのサービスを利用しているユーザーは、既存のファーウェイ製デバイスにおいて、Google PlayおよびGoogle Play Protectによるセキュリティ保護機能を引き続き利用できます。
引用:engadget
つまり、「既存」のファーウェイ製品においては、現状Google Play等は使えるようにする、ということになります。
これを見てとりあえず、ホッとしました。
ファーウェイは中国国内ではGoogleに頼らないようなサービスがすでに構築されていますが、国外になるとGoogleのサービスに頼らないとスマホとしての機能性が保てないので、ファーウェイの既存製品がしばらく使えそうな点だけでもありがたいです。
なので、僕も使っているP20に加え、P30、novaなど、日本でも人気のモデルについては当面大丈夫そうということになります。
ただし、ファーウェイは5月21日に新製品の発表を控えており、これが今回の件の対象となるかは、現時点では不明です。
ファーウェイ社への影響
前述の通り、ファーウェイは予てから米中貿易摩擦の矢面に立たされてきましたから、今回の件は特に驚きではないのでしょう。
中国では検索は百度、動画は「Youku」、ECは天猫など、ウェブに関しては完全に中国企業のみで経済圏が形成されています。
中国本土でGoogleのサービスが使えなくなったとしても、中国本土に住んでいる方からすれば「普段から使ってないし…」という感覚です。(そもそも検索ではGoogleは使えません)
ファーウェイは海外向けにAndroid OS搭載のスマホを発売してはいましたが、独自でOSを開発しているという発表もしています。
Googleに依存しないサービスづくりを兼ねてより行なっていたということです。
なお、Googleに依存しないOS(そもそもAndroidはオープンソースなので、Googleに依存してはいないのですが…)自体はサムスンなどがすでに開発しており、ファーウェイにとっては難しいことではないのでしょう。
日本国内のその他の影響
Googleのサービスが使えなくなるかもしれない、ということは置いておいて、それ以外に日本国内のユーザーにどのような影響が考えられるでしょうか。
このまま米国のファーウェイへの制裁が続くとすると、今度はスマホパーツを提供している企業に対し、ファーウェイとの取引を中止するような要請を行う可能性があります。
事実、15日、米産業安全保障局(BIS)はファーウェイ並びに関連企業70社を「エンティティリスト」に追加し、米政府の許可なく米企業から部品を購入できなくなりました。
ファーウェイのスマホも世界中のメーカーの技術が使われていますから、このようなことが起こると、新規製品はもちろん、Googleのサービスを使える既存製品の生産もできなくなります。
つまりファーウェイの製品が手に入りにくくなる可能性が考えられます。
いちユーザーにとっては、例えば故障の際に「同じ製品の在庫がない」などといった問題が起こりうるでしょうか。
また、少しマクロな話になると、雇用や企業の業績に影響を与える可能性があります。
ファーウェイは世界3位のスマホメーカーですから、その製品が作れない・売れない、となると企業にとっては大きな損害になるでしょう。
日本企業はまだ米国からの要請を受けていませんが、Googleも大統領からの要請に応じたいま、将来的に日本企業もこの要請に応ずる可能性が考えられます。
事実、日本の大手スマホメーカーの村田製作所やTDKの株価は昨今のファーウェイショックを受けて下落しています。
今後起こりうること
米中貿易摩擦が長引くと仮定すると、中国はますます自国の経済圏のみでテクノロジーを発展させる必要が出てきます。
一昔前は「中国製品は安かろう悪かろう」というイメージもありましたが、今は安くていい製品がたくさんあります。ファーウェイのスマホもその一つです。
すでに自国製品・サービスだけで経済力をまかなえるだけのテクノロジーを備えた中国が、今後どのようなサービスを開発していくのかは気になるところです。
まずはファーウェイのOSに期待したいところでしょうか。(僕たちがそのサービスに触れることができるかどうかは別ですが)
まとめ
以上ファーウェイ製品を使用している方に向けた記事でした。
まとめると…
- 既存製品はGoogleのサービスを引き続き使える予定
- しかし、将来的にどうなるかは不明
- ファーウェイとGoogleの確執は周辺企業にも大きな影響を与える
以上の通りになります。
今後、ファーウェイのスマホを僕らが使い続けることができるかどうかは、Googleの判断にかかっていると言ってもいいでしょう。