キャリア

新卒で入社した証券会社を2年で辞めた男が、その内情をお伝えする

こんにちは。なかやんです。

ニュースでこんな記事を見ました。下は僕のツイートです。

野村證券の営業マンが手数料稼ぎの為に、不当な売買を繰り返す「過当取引」をした、というニュースですね。

これ実は証券会社では日常茶飯事で、明るみに出るのなんて氷山の一角です。

このニュースを見て、新卒で入社した証券会社の事を思い出して、なんとなく記事にしたいなと思いました。

新卒で証券会社に入社した方や、今後就職活動で証券会社を志望している方の参考になればな、と思います。

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なぜ新卒で証券会社に入社したのか

これは父の影響が大きいです。

僕の父は保険会社で代理店営業をやっており、子供の頃はよく父と一緒にお客さんの家へホームパーティ的なものにいっていました。

それをずっと見てきた僕はなんとなく自分もサラリーマンになるんだろうなと思い、就活生になるころには、父と同じ金融業界を中心に就職活動を行ってきました。

当時から一人で生きていく事になったとしても役に立ちそうな知識を身に着けたいと感じていたので、お金や投資を勉強したいと思い、最後の方は証券会社に絞っていました。

そんな中で、独立系の中堅証券会社から内定をもらい、そこに就職することに決めました。

内定をもらってから入社までに準備すること

入社するまでに、会社からは「証券外務員の資格をとって下さい」と言われました。

証券外務員というのは、簡単にいうと株の注文を取引所に出せる資格です。

これがないと証券会社で営業をするのは不可能です。

ちなみにこの証券外務員は一種と二種があり、どっちも合格しないといけません。

会社から教材が届き(それなりに分厚い)、勉強することになりました。

この頃は社会人に向けて勉強することに、若干の楽しさも感じていました。

この証券外務員、「入社するまでにとれないと、なんか相当やばいことになる」と内定者の中で噂されてたので、頑張ってなんとか合格しましたが、普通に内定式までに何人か取れていない人もいたので、取れて無くてもあんまり問題ないと思います。

入社後には研修が待っている

そして4月になり、晴れて新社会人になりました。

入社式を終えた後、無垢な新入社員達は新幹線に揺られ、千葉にある研修施設まで連れてこられました。

ここから約一ヶ月、研修という名の隔離生活が始まります。

この寮生活、正直意外と楽しかったです。

隣の部屋だった同期は、もう会社は別々ですが未だに連絡を取り合う仲です。

同期は本当にいろんな人間がいました。

例えば、入浴は時間が決められており、大きいお風呂にみんなで入るのですが、それを破って一人みんなが寝静まった頃にお風呂に入る同期がいました。

なぜみんなと入らないのかと聞いた所、背中にある大きな彫り物を見せられ、「これがあるから気まずい…」と言われたり、朝起きることができなくて一日中リポビタンDを飲んでる同期とかもいました。

このリポDの同期は研修期間中もずっと証券外務員の勉強をしていました。

そんな同期もいながら、みんな闘争心と野心、そして新社会人となったことへの期待で輝いていました。

寝る時間を惜しんで日経新聞の読み合わせをやっている同期もいました。

研修内容はビジネスマナーや電話応対のロープレ、コンプライアンスの勉強などがメインです。

ちなみに、よくあるブラック企業の研修みたいな、でかい声出すとか教官から罵倒があるみたいなのは一切なかったですが、お辞儀の角度とかの研修はありましたね。

100人くらいが一斉に同じ場所で研修を受けるのは、やはり異様な光景ではあります。

なんやかんやで一ヶ月の研修が終わる頃には、それなりに団結力や一体感も形成されていて、教官からの最後の挨拶的なやつで泣き出す同期も出てきます。

リポDの同期も涙ぐんでました。

とんでもない田舎に配属される

一ヶ月の研修が終わり、ようやく新入社員が支店に配属されます。

すべての研修過程が終わったタイミングで、その場で配属支店が発表されます。

新入社員からしたら、今後の社会人人生を左右しうる緊張の一瞬です。

名前と支店名が呼ばれたら、とりあえずなんも考えずに大声で返事する決まりだったので、僕も例にもれず返事しました。

なんか聞き慣れない地名の支店だな、と感じましたが、とりあえず返事をしました。

そして後ほど「どこの支店だろうか」と調べたら、「大垣支店」と書いてありました。

いや、大垣ってマジでどこやねん、と思ってたら、まさかの岐阜県で衝撃を受けました。

これまで横浜の実家でぬくぬくと育った僕は、急遽縁もゆかりもない岐阜県に引っ越すことになったのです。

田舎の支店はとても平和だった

大垣はマジでなんもないです。大垣出身の人、本当にすみません。

娯楽施設はでっかいイオンしかないです。これが割とマジでデカイ。

田舎はショッピングモールがクソでかいという噂はホントでした。

あと老人が尋常じゃなく多かった。大垣市の人口の7割はマジで高齢者なんじゃないかって、大垣を去るまで思ってたし、なんなら今も思っている。

ですが、めちゃくちゃ平和だった。

今思えば満員電車とは無縁だし、ちょっとサボろうと思えば自転車でどこへでも行けた。

イオンに併設されているスーパー銭湯に、営業活動中に立ち寄ったのも一度や二度ではないです。

一年目の新入社員がすることは、基本的には新規開拓。

ひたすら知らない人の家のインターホンを押す仕事です。

ちなみに僕は新規開拓初日で、自転車に乗ってコンビニに行ってガリガリ君食ってました。

知らない人の家のインターホン押すのってとても勇気いるんですよね。

しかも売るのは当時では自分でもよくわかっていない金融商品。

支店の空気も悪くなかったと思います。

そりゃ証券会社なので、本部からおりてくる予算が達成出来てないと支店長は機嫌悪くなりますし、課長は怒鳴られます。

それでも新入社員が怒鳴られるという事はなかったです。

じゃあなんで辞めたの?

こうなりたいと思える上司や先輩がいなかったのが大きな理由です。

今思えばちっぽけで他力本願な理由かも知れませんね。

僕が在籍した2年間で支店長は2回変わりました。3人の支店長を経験したことになります。

たくさんの上司を見てきて、この会社で何十年働いててもアッパーはここか、と偉そうにも思ってしまいました。

結局は本部からおりてくる手数料を淡々とこなす仕事です。

しかも扱っている商品にプライドなんてないです。

はっきり言って大半の証券マンは自分が売っている商品が良いか悪いかなんてわかりません。

先輩もよく「儲かるかなんて買ってみないと分からない」と言っていました。これは実際そのとおりです。

多くの金融商品(投資信託や債券)は本部から「これを売れ」と言われて売っているだけです。

僕は個別株が好きだったので、ひたすら株の勉強をして自分がいいと思った銘柄をお客さんに提案するという呑気な営業をやっていました。

ですが予算を背負っている先輩方はそうはいきません。

手数料を稼ぐために、それこそ冒頭の様な「過当取引」まではいきませんが、高齢者相手に金融商品の回転(短期で売り買いを繰り返す)を行います。

大体の新入社員はこれを見て証券営業の現実を知ります。

そんな中で、一人の先輩社員が心を病んで辞めました。

最後の方は精神安定剤を飲みながら、別の先輩社員や支店長に陰口(あるいは直接)を言われながら出社していました。

僕はその人を見ながら、かわいそうだなと思うと同時に、こんな働き方はしたくないなと思いました。その人は辞める時に何故か泣いていました。

僕は嫌な仕事から開放されるはずなのに、なぜ泣くのだろうかと不思議に思いましたが、安堵の涙だったのかも知れませんね。

僕自身は極めて健康な状態でしたが、この会社で何年も働くのは無理だなと思い、退職しました。

支店長は退職を引きとめようとしてくれたのか、僕に一冊のマンガをくれました。

「ドラゴン桜」の作者が書いている「エンゼルバンク」というキャリアについてのマンガです。

1巻には「転職を重ねるごとに生涯年収が下がる」ということが書いており、支店長はこれを読むことで僕が思いとどまることを期待したのでしょう。

僕はその後普通に転職しましたが、この「エンゼルバンク」自体は非常に面白いマンガなのでキャリアに悩んでいる方にはオススメです。

ちなみに精神を病んだ先輩はその後転職し、いまでは結婚して幸せな家庭を築いているのをフェイスブックで確認しました。

対面型の証券会社に未来はあるの?

未来があるかどうかは置いといて、僕はあまり存在意義が見いだせません。

株の売買をするにあたり証券会社は必要ですが、それが対面である必要があるかと言われると疑問です。

もちろん、金融のコンサルタントとして優秀な証券マンは存在しますし、僕も知っています。

ですがそんな人は一握りで、これから投資を始めるにあたって、これだけ情報が溢れているのにわざわざ対面営業を選ぶメリットはあまり感じられません。

今はネット証券の手数料の方が圧倒的に安く、対面営業を選ぶ人なんて、金融と情報のリテラシーが欠如している高齢者くらいではないでしょうか?

ですが、給料はいいです。これだけはお伝えしておきます。

相場によりますが、好業績の時はビックリするくらいのボーナスが支給されますし、営業成績の良い先輩はかなりのお給料をもらっていました。

なので根性がある人は普通にオススメ出来ますね。

あとは証券営業が転職に有利という話ですが、これは割と本当です。

マイナビエージェント×金融職
僕は計3回転職して現職で働いてますが、いずれの会社も採用理由の一つに「証券会社で営業をやっていたので、営業のいろはが叩き込まれている」というものがありました。

実際本人に「営業のいろは」があるかは別として、イメージは大事ですね。

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まとめ

そんなわけで、僕が新卒で入社した証券会社を辞めた話でした。

証券会社の現状はネットでも「過酷だよ!」とか言われてますが、ぶっちゃけ支店によります。

手数料の振り分けの多い、大店だとめちゃくちゃ大変だと思いますし、僕みたいに小さい田舎の支店だと意外とのんびりしていることもあります。

今は数年前と違って、労働環境も良くなっているらしいです。

新入社員は新規開拓をせずに、資格取得のために支店内で勉強をしているという話も聞きます。

新卒当初は今みたいにブログを書いているなんて思いもしませんでしたし、証券会社に入社した事で株式投資の魅力を知ることが出来たので、入社したこと自体はまったく後悔していません。

これから証券会社を志望するという人は、こういうケースもあるよ!と知っておいてほしいです。

ただ、独特の経験を積めることはお約束します。

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