こんにちは。なかやんです。
以前、地方から都内への転職を目指すひとへの記事を書きました。
僕も地方から都内への転職を果たしましたが、入社した会社がまぁまぁのブラック企業だったんですね。
そこで2年働いたのですが、2年間で結構な人数が辞めたんですよ。
で、辞める度にその会社が求人情報を出すんですけど、「いや、これ嘘やん!」っていう求人を出すんです。
それを何回か見るうちに、ブラック企業特有の求人情報の出し方を見分けることが出来るようになりました。
なので、今回は僕のブラック企業体験談と、求人情報から見るブラック企業の見分け方を書いていこうと思います。
- 僕がいたブラック企業のヤバいところ
- 元ブラック企業従事者が語る、ヤバい求人
- ブラック企業の求人に引っかからないためには?
僕がいた会社のヤバかった点
僕が入社した会社は、都内で人材系のビジネスを行っているベンチャー企業でした。
設立5年も経たない本当に小さな企業で、僕が入社した時は正社員5名にも満たない様な会社でした。
このフェイズの会社だとやはり社長のワンマン経営なんですよね。
優秀な社長であればワンマン経営でも問題ないのですが、社長がモンスターだとそうとうヤバイ事になります。
そして、僕のいた会社の社長は、なかなか個性的な方でした。
絶対に1日12時間以上働かないと社長が不機嫌になる
朝は8:00出勤です。
ちなみに求人票では始業は8:30となっていますが、社長の一存で8:00には来ないと「遅いねぇ」と詰問されます。
同僚で何度か8:00に間に合わなかった人がいたのですが、「査定に関わるよ」と言われ、ただでさえ少ない賞与がさらに減らされそうになってました。
査定ってなんやねん。
いや、これはまぁ百歩、いや一億歩ほど譲ってわかります、実際始業前に準備することがあるので。ただ強制するものじゃないだろという話です。
そして普通に考えたら8:30出勤の8時間労働なので、17:30が定時のハズですが、うちの定時は18:00でした。
休憩が長いの?と思われたあなた、違います。休憩はほぼないです。
普通に長く働くだけですね。
ちなみにお昼は会社の下にあったコンビニで買って、オフィスで働きながら食べるという、港区OLも真っ青になる地獄のようなランチタイムでした。
そして僕はこの2年間で定時で帰った事は一回もありませんでした。僕だけではなく、社員の全員がです。
それは20:00より前に帰ろうとすると社長の機嫌が悪くなるからです。
もはやなんでか分かりません。
20:00ですら「早いねぇ」と言われ、その後どうでもいい話が始まり無駄に拘束されます。
なので、社員の平均退社時間は21:00とか22:00くらいでしたね。
僕も週一日くらいだったら、22:00くらいまで残業してもいいんですよ。
でもこれが強制となると途端にストレスになる。
人は強制されると何事もやりたくなくなるんですね。
平日だけじゃなく、土曜日も出勤することになる
驚くことに、程なくして土曜日も出勤させられる事になりました。
土曜日は比較的拘束時間が短かったのですが、これ、なんで土曜日も出勤しなくちゃいけないのかと言うと、社長の雑談に付き合うためなんですよね。
社長は40代で独身の男性で、休日も仕事をしている仕事が趣味のような人でした。
なので、自分だけ休日に仕事をしているのが嫌だったんでしょうね。
土曜になると社員全員が召喚されてオフィスで仕事をしているフリをしていました。
残業代は「みなし残業」として月額5万円までしかでない
これ、ブラック企業にはよくあるので覚えておきましょう。
みなし残業は「固定残業代」とも言われ、一定の時間(40時間など)分の残業代を予め払っておくシステムです。
このみなし残業が払われる企業は普通に月40時間以上残業がある可能性もあります。というかその可能性はとても高いです。
僕の会社も例に漏れませんでした。
上記のように12時間労働がほぼ強制付けられていたので、毎日3~4時間の残業です。
20営業日×4時間で80時間の残業に加え、月4回土曜出勤があるので、合計の残業時間は普通に100時間を超える事もあります。
でもみなし残業代として払われているので、月5万円しか出ないんですよね。
みなし残業はマジでヤバイ!
社長の奇行がスゴイ
これが結構ヤバかったですね。
まず社長はめちゃくちゃ体育会系というか、なんでも気合・労働集約で解決しようとするタイプの人です。
なので、物事をロジカルに考えるというよりかは、頭に来たことは全部ものに当たったりする、激情型タイプの人間です。
会社に竹刀を置いており、頭に来ることがあると(主に社員が言うことを聞かない、など)椅子をめちゃくちゃ叩いたりします。
幸いにも社員への暴力はありませんでしたが、なぜか自分は怒っているという事をアピールしないと気がすまない性格の方でした。
ときにはパソコンのモニターに当たって、普通に会社の備品を壊すこともありましたね。その経費、俺らの給料から払われてるんやぞ!
あとは、尊敬する経営者の方の「名言?」的なのをいきなり大声で唱和する、みたいなのもありましたね。
僕らはその場では、仕事をしているフリをするんですが、社員のLINEグループでは、
「おい、いまのマジでなんだ…?」
みたいな動揺が広がってたりします。
あと、これは完全に風評被害なんですが、こういったワンマン経営者、マンパワーでなんとかしようとする系の人が好きな本を一つ紹介します。
ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」です。
すごい雑に紹介すると、人生には成功哲学があり、確固たる願望を持つことで願いが叶いますよー、という引き寄せの法則みたいなことを何百ページも書き連ねている本です。
これ自体はいい本ですし、僕も一応読んだのですが、僕の会社の社長はこの本がとても好きでしたね。
あと全然関係ないのですが、僕が昔出会った「この人明らかにマルチ商法やってるんだろうな」という人も、この本と「金持ち父さん貧乏父さん」が好きでした。
誤解がないように言いますが、これらの自体はとてもいい本です。
普通に学びはあると思います。
ですが、「この本が好き」で「読んだ方がいいよ」と勧めてくる人には注意した方がいいと思います。
インフルエンザでも出勤させられる
僕、在職中に生まれて初めてインフルエンザになったのですが、インフルエンザになったら普通一週間くらい休むことになりますよね。
翌日から普通に出勤させられました。
最近のインフルエンザの薬ってすごくて、1日くらいで熱は下がるんで、出勤自体は不可能ではなかったんですけどね。
インフルエンザは気合で治せ、みたいな感じで翌日には普通に仕事してました。
そんなこんなで、パワフルな職場環境だったんですけど、なんだかんだ2年間働いてしまいました。
実際こういうブラック企業って居心地自体は良いっていうか、社員同士の仲は結構良かったりするんですよね。
辛い環境を共にすることで団結感がうまれるって言うんですか。でも、僕は辞めました。
この環境を変えようとする人が一人も居なかった
これが一番ヤバイやつですね。
みんな社長に逆らえず、言われるがまま仕事をしていました。
何言っても無駄とわかってるので、何も言おうとしないんですよね。
なので、LINEグループや社員だけの飲み会の場は、ただ愚痴を言うだけの無益な場になっていました。
この現状を変えようとする人はみな転職するか、独立していきました。
ちなみに、僕が知る中で最短の退職までの期間は、一週間でしたね。
「海外に行く」というそれだけの言葉を残して去っていった人がいました。
よくブラック企業で、入社初日に辞めた人がいるっていうニュースがネットで流れますが、それは本人の本能が拒否するパターンのやつですね。
一週間とかで辞めるっていうのは「あっ…(察し)」って感じで狂気に気づいて辞めるパターンです。
元ブラック企業従事者が教える、こんな求人には気をつけろ!
そんなこんなで、ブラック企業に2年勤めた僕ですが、逆にブラック企業へのアンテナが冴えるようになりました。
そこで、僕が考えるこんな求人はブラックだ、というのをまとめましたので、気軽な気持ちでご参考ください。
固定残業代(みなし残業)に気をつけよう
固定残業代というのは、先ほども書いた通り、予め残業代を払うシステムです。
つまりこれが記載されている時点で、一定時間の残業をすることはほぼ確定しているということになります。
求人条件に固定残業代込と書いてあったら、何時間分なのか確認しましょう。
週休二日制という記述には注意
これは比較的有名ですが、週休二日制と完全週休二日制の違いは把握しておく必要があります。
週休二日制というのは、1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上あるということです。
必ず週2回の休みがあるというわけではなく、残りの週の休みは週1日というケースもあります。
今回の僕のパターンは週休二日制になりますね。
一方、完全週休二日制は毎週必ず2日間の休みがある制度を指します。
ただし、休みが土日とは限りません。
完全週休二日の場合、求人情報にはいつが休みなのか書いてあるはずなので、確認しましょう。
提案営業・コンサルティング営業という謳い文句には注意
僕はこれまでに3回転職しており(現在4社目)、うち3社で営業を経験してきましたが、僕が転職活動中に見た求人情報には、全て「コンサルティング営業」と書いてありました。
ですが、ぶっちゃけただのドブ板営業でした。
コンサルティング営業とは便利な言葉で、営業なんてお客さんの困りごとを聞いて、それに対するソリューションを提供するんだからコンサルティングと同じやろ!という考えからコンサルティングとつけてるんですね。提案営業も同じです。
ガチの戦略コンサルから言えば、この程度でコンサルティングなんて失笑ものだと思うのですが、コンサルティング営業ってなんかカッコイイから引っかかる人も出てきます。僕のように。
なので、提案営業・コンサルティング営業って書いてある求人に関しては、実際は何をするのか、例えば先輩社員の1日の流れなどを聞いておくと良いと思います。
ベンチャー企業だから成長できる!などよくわからないPR
IT系のベンチャー企業にありがちですが、ベンチャー企業だから成長できる、というのはまったく関連性のない謳い文句です。
具体的にどういう点から成長できるのか書いていない場合、とにかく働かせることを「ベンチャー企業だから」という免罪符で押し切る企業である可能性もあります。
夢・仲間という文言が目立つジャンプみたいな求人票
仲間アピールと夢が叶うアピールは要注意です。
もちろん、一緒に働く人はとても重要ですが、そればかりアピールしている場合、逆にそれしかないのかって印象をうけます。
同年代の人が集まれば、個々で多少合う合わないはありながら、そりゃ仲良くはなります。わざわざアピールするほどのことではないと思います。
夢が叶うに関しては、そもそも仕事で叶える夢ってなに?って話にもなってきますが、求人情報のPRとしてはかなり曖昧なものです。
例えば、あなたの夢が社長になりたい、だった場合、会社はおそらくその夢を叶えてくれることはないでしょう。
いずれ辞める社員を手塩にかけて育てるコストは企業もかけたくないからです。
夢を叶えてくれるのは会社ではなく、結局は自分ということでしょう。
各求人媒体が出している会社の評判や口コミはあてにしてはならない
この会社の評判等はぶっちゃけお金を払うことで、追記・修正などが出来ますし、普通に社内の人間がよく見えるように書いているケースもあります。
よっぽどの大企業だとひとつひとつ修正することが出来ないので、ネガティブな意見も見られますが、ポジティブな意見のみで固められた企業は虚構である可能性もあります。
明らかに良いことばかり語られている評判や口コミは気をつけましょう。
ブラック企業のヤバい求人に引っかからないために
まず、求人を探す方法を考えた方が良いでしょう。
求人を探す方法は、大きく分けて広告媒体と人材紹介の二つに分かれます。
広告媒体は、ネット上の求人サイトやフリーペーパーから自分で求人を探す方法です。
僕がこれまでに書いた「こんな求人には気をつけろ!」は、広告媒体での注意点です。
一方で人材紹介は、エージェントがマンツーマンであなたに最適な求人を探してくれます。
どちらもメリット・デメリットはあるのですが、人材紹介はエージェントがあなたのキャリアプランに沿った提案をしてくれるので、転職が初めて、という方は実はエージェント経由の方が良かったりします。
自分で求人を見つけるのが不安という方や、僕のように失敗をしたくないという方はエージェントを活用した方が良いでしょう。
まとめ
以上が僕のブラック企業体験談と、求人票で気をつけるべきポイントでした。
やはり面接時は自分を見てもらうということはもちろんなんですけど、逆に会社を見極めるという視点も大事ですね。
あとは、どうしても実際に入社してみないと分からないこともあったりするのが、転職の常だったりします。
失敗のリスクを減らすため、転職を考える際は、上記のことに気をかけてみて下さい。