みなさんは、「未公開株」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
未公開株は、東証などの取引所に上場(公開)していない企業の株式のことです。
非公開株やプライベート・エクイティという言い方もします。
未公開株は上場していないので、株式の売買を行うことができません。
日本国内でも、みなさんご存知「佐川急便」や旅行会社の「JTB」などは、実は非上場企業です。
ただし、今はまだ未公開株であったとしても、上場した時のインパクトは莫大なもので、IPO(新規公開)の抽選が人気化するのもそれが大きな理由です。
IPOと未公開株の簡単な違い
- IPO(新規公開株)はこれから上場する(上場が決まっている)株
- 未公開株は市場に出回っていない(上場が決まっていない)株
そして現在、未公開株を上場前に購入する方法として、「株式投資型クラウドファンディング」というサービスが注目されています。
今回は、未公開株の購入方法と注意点について説明していきます。
- 未公開株を購入するときの注意点について
- 未公開株を購入する方法、株式型クラウドファンディングとは?
未公開株を購入するときは詐欺に注意!
未公開株は仮に上場することになれば、まさに宝くじが当たるような金額を手にすることもできます。
とてもオイシイ話ですよね。だからこそ詐欺も絶えません。
未公開株を用いた詐欺については、金融庁からも警告がされています。
参考:未公開株購入の勧誘にご注意!~一般投資家への注意喚起~(金融庁)
未公開株の販売等を行うことが出来るのは、当該未公開株の発行会社や登録を受けた証券会社に限られますので、その他の者からの勧誘については十分ご注意下さい。
詐欺師は以下のような謳い文句で投資家を勧誘するようです。
- 上場間近で値上がり確実な未公開株が購入できますよ!
- 発行会社とコネがあり、あなただけに特別にお譲りできます。
実際に購入した後に「実はその会社は上場の予定がなかった」、「株券が届かない」といったことがあり、詐欺と判明するそうです。
基本的にまともな金融商品を扱う会社の営業マンであれば、投資商品に「絶対」という言葉は用いないように教育されています。
未公開株を向こうから勧誘することは禁止されているので、どこかから勧誘された場合は疑ってかかりましょう。
グリーンシート銘柄について
実は未公開株を正規で購入する方法として、日本証券業協会が定めたグリーンシート銘柄というものがあります。
グリーンシート とは、日本証券業協会が証券会社による非上場会社の株式等を公平・円滑に売買するために、平成9年7月からスタートさせた制度です。
非上場企業への資金調達を円滑ならしめ、また投資家の換金の場を確保する目的で、金融商品取引法上の取引所市場とは異なったステータスで運営されていました。
しかしグリーンシート銘柄は平成30年の3月をもって廃止されており、現状未公開株を購入する方法は株式投資型クラウドファンディングが主流となっています。
未公開株を購入する方法、株式投資型クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングという言葉は、企業や個人が資金調達をするための手段として認知が広がっています。
今世の中で認知されているクラウドファンディングは、「購入型クラウドファンディング」と言われており、支援者には何かしらのモノやサービスといった対価が支払われます。
一方で株式投資型クラウドファンディングは、基本的に購入型クラウドファンディングと資金調達の方法は同じですが、対価が「株式」になります。
すでに上場している会社であれば、株式を発行することで資金調達を行うことができますが、未公開企業は株式市場での資金調達ができないので、この株式投資型クラウドファンディングを利用するのです。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
一番のメリットは、IPOを行う可能性のある会社の株を、IPO前に手に入れることができます。
IPOも抽選に当たれば大きな利益を得ることできる可能性が高いですが、そもそも倍率が高すぎて当たったら超ラッキーくらいの感覚です。
そんなIPOを行う可能性がある企業の株式を、抽選なしに手に入れることができるというのが株式型クラウドファンディングの大きな魅力です。
株式型クラウドファンディングで投資を行った会社が、IPOを行うあるいはM&Aを受けることがあれば投資家は大きな利益を得ることができます。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
- 通常高倍率で当選しにくいIPOを行う可能性のある株を手に入れることができる
- IPOやM&Aが行われれば大きな利益が期待できる
株式投資型クラウドファンディングのデメリット
株式投資型クラウドファンディングで投資を行った未公開株の企業がIPOないしはM&Aを行わない限り、自由に売却をすることができません。
未公開株は上場を目的の一つとすることが多いですが、確実に上場を行うと決まった訳ではないので、投資家にとっては資産を自由に動かせないリスクが生じます。
株式投資型クラウドファンディングは投資ではありますが、こういった流動性のリスクが伴います。
また、株式投資型クラウドファンディングでは、投資家に投資金額の制限があり、1社につき年間50万円までと決まっています。
この点も通常の株式投資とは大きく異なるので注意が必要です。
株式型クラウドファンディングのデメリット
- IPOやM&Aが行われない限り、売却することができない
- 1社につき投資金額が50万円までと決められている
未公開株を購入できる株式投資型クラウドファンディングサービス
日本国内で有名な株式型クラウドファンディングは、FUNDINNO(ファンディーノ)
とユニコーンというサービスがあります。
株式型クラウドファンディングは、国内ではまだまだ発展途上のサービスで、この2つが実質メインのサービスとなっています。
FUNDINNO(ファンディーノ)
国内初の株式投資型クラウドファンディングサービスで、現在国内一番の規模を誇っています。
投資案件数が多く、プロの投資家も参加しています。
資金調達後の企業フォローをサービスの特徴としており、投資家への還元を意識しています。
また、企業への厳正なる審査を行なっているので、投資家保護が行き届いています。
エンジェル税制を導入しており、仮にIPOやM&Aで株式を売却できた際に、優遇税制を受けることができるというメリットもあります。
ユニコーン
ユニコーンはその名の通り、「将来のユニコーン企業を応援しよう」という名の下、企業の資金調達からイグジットまでをサポートしている企業・サービスです。
ユニコーン企業は日本にはまだ少ないですが、上場した際のインパクトはとても強く、最近では配車サービスのUberが米国で上場し、話題を呼びました。
「ユニコーン」の特徴はスタートアップへの投資に特化しているという点です。
スタートアップ企業は基本的にIPOまたはイグジット(事業売却)を目的としているところがほとんどなので、出口戦略が明確です。
投資家にとってもリターンが見込みやすいというメリットがあるでしょう。
サービスリリースから続々と案件が発表されており、今後も期待が集まるサービスです。
イークラウド
イークラウドは、2020年7月に第一号案件をリリースした、比較的新しいサービスです。
記事執筆時点でリリースされている案件は、全て目標金額を達成しており、順調に成長しているサービスであると言えるでしょう。
また、大和証券グループと連携して事業運営を行なっており、非上場株への投資が初めてでも、安心してサービスを利用できるという特徴があります。
スマホで簡単に投資家登録ができ、書類等の郵送も必要ないという手軽さも特徴です。
まとめ
以上、未公開株の購入方法と注意点についてでした。
株式投資型クラウドファンディングは既存の投資とは異なる、全く新しい投資の形です。
特にIPOの可能性のあるベンチャー企業の株を、個人が少額から手にすることができるのは現状この株式投資型クラウドファンディングのみなので、今後注目が集まる可能性が高いです。
海外ではすでに株式投資型クラウドファンディングを使って利益を出している個人投資家も出てきているので、日本でも流行してほしいですね。
興味がある方は、まずはFUNDINNO(ファンディーノ)、ユニコーン、イークラウドのいずれかに登録してみてはいかがでしょうか。